サダさん、ついに起つ

今朝、ふらっと給水所を覗いたら、サダさんが粋な企画を打っていた。
お互いの百首を鑑賞し合うという、一言でいうと簡単だがとてつもなく体力のいる話だ。持久力に難がある私としては、参加したいヤジ馬根性はあるけれでも、途中でコケてサダさんを失望させてはいけないので、自重自重。
歌人アベサダ(阿部定一郎)は京都の歌人でいい歌を詠む人である。
数年前に某MLで御一緒して以来の縁の歌人で時折、そっとHPを覗かしてもらっている。論客でもあり、サダさんの文章や作品を読むのは私は好きだ。今回の企画の意図もよく解っているつもりなので余計に参加は自重自重。
  2,3人、サダさんの企画に乗る歌人がいればいいのだけど…あまり多くても大変だろうしね。

以下、私の好きなサダさんの歌です。

         ☆  ☆  ☆

墓碑銘のなきビル群に目もくれず都市のけものは路上にて死す


飛べぬ鳥は飛べぬのではなくわれわれとことなる空をもつにすぎない


なにを狩るわけでもなくてばら撒いた悲しき六十余億のデコイ


包帯の白さ孤独を吸はざりきほどけて線となる身体性


CQCQ三次元が被弾しております。化粧品売る笑み放つ二次元女


血液の流るるノイズごつごつと枕に響く夜まだ長く


鉄にすら沸点があるこの世ではひとがたやすく蒸発している



         ☆  ☆  ☆

今年のお題は公募ですから

此処2年の御題の決め方は、先着参加表明者が責任を持って、お題を決めるというものでした。
私も昨年、それを狙って早めに参加を表明して、結構気負って考えていました。
おまけに、自分なりの意図があって、それとかけはなれた歌を見ては、他の御題にすればよかった、と悔やんだものでした。
 今回は公募ということで、多数の題が集まっていて見ていて楽しいし、出題者も気軽に出しているようですね。
そりゃそう、参加者全員がお題を出せば、現時点でも1500題以上集まる計算になり、自分の出したお題が採用される確率は零の可能性もある。
やっぱ気も軽くなるし、全く趣味に走ったお題でもいい。現状を見ても、勢いでだしたようなモンもあると思うよ。
私の出したのは、『マンホール』・『干』・『詩』・『鬼』・『ジン』。
『マンホール』は昨年、2003の投歌に一首もなかったので却下したお題。2004では一首あって、今回は思い切ってノミネートしました。
『干』は、なんか世紀末以後の時代干からびているような気がしてノミネート(気象的には津波じゃ、洪水じゃ、大雪じゃと濡れ放題ですが)
『詩』は、2003で一回出ているのですが、やっぱ詩人としては外せないような気がしてノミネート。
『鬼』は、最近家族と接していて、時折、首を擡げる得体の知れない気持ちがあって、皆さんの心の鬼を垣間見れれば同類相憐れめるんじゃないかと。
『ジン』は、お題を考えながら、酒が欲しいな、と思って、糖尿を患ってから随分酒も控えているな、と考え出し、学生の頃愛飲していた、タンカレーフレバーが不意に鼻をくすぐったので、思わずノミネート。

さて、どれか採用されるのか、妙にワクワクして楽しいですね。
多分、主宰のスタッフ様は、公募にした事をすでに後悔しているかも、選ぶの大変そうですもんね。

詩はどうだろう?


 某ブログで今のネット短歌やなんやの文学性が論議されていて、非常に面白く拝見しています。

 黒瀬さんのコメントで「短詩形は他作品との「差異」によって成立するから。それが一番効果的に実践できるのが、短歌史を勉強する」ということというのがあった。

 そうだよね。新しさを求めるのならそうだと思う。おそらく、自分の意識をちゃんと相手に流すにもその行為は有効だと思う。

 詩人はどうなんだろうか?新体詩を読み直す若手はいるんだろうか?
 僕は短歌は啄木から読み出して、北杜夫が好きだったのでお父上にゆき、牧水なんか読んでいて、近年、西行全歌集なんかと格闘しているけど、さほど系統立てて読んでいるわけでもない。

 詩は高校の文芸部時代に顧問の半強制により、明治大正詩をかなり読まされた。
 ある程度は詩史を踏まえているつもりではある。

 でも、泣菫なんか若い人に勧めにくいよね。いい詩なんだけどな。 

参加人数当てクイズ

 題詠マラソンで人数当てクイズをやっているんだけど、前回,
もっと近い数字を言い当てたのは私です。

 数値の出し方は、よく、覚えていないけど、多分、勘でしょう。

 今回は444人。

 私の処女詩集の印刷部数である。

 月読亭出版という、夢と誇大妄想的希望しか持ち得ない、その個人的出版社の逸品?っていうか、唯一、一品の詩集である。

 表紙は森信夫氏。イバラードで有名なさる画家の高校時代の教え子にあたる氏は、私の放浪時代の友人で、無理やり御願いしてしまったのでした。

 で、出版会社がアート出版。友人が勤務している。大学時代の文芸部仲間で、作ってやる、ちおうものだかた頼んだ。
そうしたら「値段は合わせるから出版部数はまかせてくれ」とのこと。

 任せたら444部。
 熱狂的な長嶋茂雄ファンの彼は、そのホームラン数と同じ部数を出版するのが夢だったそうな。



 おかげで・・・12年後の今も手元に溢れている。

                    せいぜい150部でよかったんだよ・・ビータニ

 *  今年もまた

 
 終わりたる旅を見返る寂しさに誘われてまた旅をしぞ思う 牧水

 凝りもせずに、五十嵐さん等が主宰する【題詠マラソン】に参加してしまった。

 歌人でもない僕が、毎年いそいそと投稿するのはどうか?とも思うが、

 十四の頃に、一度、新聞の歌壇で生方先生の選をいただいた過去もあり、

 また、一度は牧水で卒業論文を考えたこともあるので、あながち縁遠くもない。


 
 ここは、そんなうおんがだらだらとクダを巻く、ほとんど意味のない日記です。